ある日突然、成長を見る「人材育成の醍醐味」
1. 部下は自分とは違う。同じことはできない
初めて管理職になり、私を課長にしてくれた上司、O課長の話です。
O課長は、赴任を控えていた私に、「課長に昇格しても、決して部下は自分と同じことができると思うな」という言葉を贈って頂きました。この言葉は、それ以来、部下を持つ身として常に心してきたことであり、私の原点になりました。
人は成長するとともに、新人時代や仕事が満足にできなかったときのことを忘れがちです。
初めてリーダーになった人、誰もが陥る「罠」が、そこにはあるのです。
一生懸命なあまり、独りよがりになり、できない部下を信用しきれず、あれこれ指示をしたり、叱責したり、結局自分もイライラしたり、ストレスも溜まる。
「これは誰にでもできる仕事、なぜできないのだ!」と個の力に自信がある人ほど陥りやすい。なぜなら、自分は担当者として優秀で、他社を圧倒してきたから管理職になれたからです。
しかし現実は違います。人は様々、能力も様々。
この当たり前のことが現場に行くと見えなくなってしまう。数字に追われるからです。
ではどうすればよいか?
「急がば回れ」ということです。プレイングマネージャーをやりながら指導する。例えるなら、出来の悪い弟や妹を心配し相手の気持ちに立ち、できるようになるまで教える。ほめる。気にかけてあげる。
そこには、かっこよく言えば『愛』がなければならない。
成長してほしいという期待と情熱がなければならないと思うのです。
『愛情』『期待』『情熱』を与え続ける。そうすると必ず芽を出し、自ら成長しようとして光を求め始めるのです。
「いい上司」に巡り合うと、ビジネス人生は楽しくなる。
だからこそ「いい上司」になろう