「聞く」ことが苦手だった自分が「インタビュアー」に
2. 話してくれる「ありがたみ」を学ぶ
営業時代に学んだ「聞く」を活かしてインタビュー調査の仕事に携わりました。
調査テーマは「販売ノウハウ」のヒアリングがテーマになることがあります。だから、簡単には応じてくれません。
まず「アポイント」がとることが大変重要な仕事なのです。よく電話口で言われたのが
「あなたに話して、私にはなんの得になるのかな」と。
結構受け答えに四苦八苦しました。調査の依頼主(クライアント名)は言わないことが多かったからです。
だから、アポイントが取れたときは、本当にうれしかった。そして、「話してくれるありがたみ」をしみじみ感じたのです。
数年前「話してくれるありがたみ」を心底思い知らされる事件がありました。
北海道に行き、経営者の方に2時間インタビューしました。素晴らしい内容が聞けたと意気揚々と空港ロビーで録音データを再度聞き直し、整理していたとき、誤って録音データを削除してしまったのです。
気が遠くなり自分のしでかした過ちに呆然としました。しかし、削除してしまったものは戻りません。レコーダーを頼りにしていたので、メモは軽く取っていただけです。しかしそのメモが唯一の頼り。
飛行機の中で記憶をひもとき書く。電車の中、家に帰ってひたすら書く。眠ることができない。翌朝出張。新幹線の中で書く。12時間かけて、メモとしてですが大半回復できました。
回復した「情報」を見て、本音で語ってくれた経営者の顔がよみがえります。
ゆとりと自信が生まれ、そして強く思いました。
「最高のインタビュー原稿に仕上げよう」と。
人の、かけがえのない「思い」に応えるためにも。
厚い敬意と感謝をもって得た
「いい情報」があれば、きっと最高の原稿ができる